電力計測始めました。

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だいぶ前から構想はしていたのですが、時間が取れず棚上げになっていた電力計測をゴールデンウィークに実際に試してみました。

積算電力を測るだけならエコワットとも有るのですが、家全体を計るのは無理ですし、時系列の変化を後から追うこともできません。
こういった製品も売られては居ますが、なんだかとても大掛かりな製品になるようです。
第一高くて遊びで買える金額でも無いですし、専用のPCが必要で有ったり、外部のサーバーにデータが保存されたりと、なんかスマートじゃありません。

そんな大変なことしなくても、自宅でコンピュータに繋いでしまえばなんとかなるのでは無いかと思って計画を練って部品を集めたりと準備は進めていました。

方針として、簡単に手早く安価に作ることを第一にしました。

  • カレントトランスを、家の分電盤に取り付けてデータ取得します。
  • 精度は二の次、シンプルなDC変換のみでマイコンに直結します。
  • 取得データはマイコンボードでAD変換をしてPCに転送します。
  • データ伝送にはTCP/IPを利用します。
  • 無線LAN機能をマイコンボードに持たせるのは面倒なので、無線コンバーターを使います。
  • データの処理には、お手軽にMRTGを使います。

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カレントトランスです。URDのCTL-10CLSです。クランプ形なので分電板に後付も容易です。(机上でのセンサテスト時の様子。)
最大80Aまで対応出来るそうなので、一般的な家庭なら充分対応できると思います。

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実際に、センサをH8-3069Fマイコンボードに接続して、プログラムを作成しました。
よく考えるとMRTGのデータ取得は5分単位なので、短時間の電力の増減を見落とす可能性も考えられます。そこで、毎秒1回測定を行い、過去300回(=5分)の平均値を応答する事としました。)
マイコンのアナログ入力は8点有るので、簡単に8個までセンサを接続できる仕様にしました。
データの送受信フォーマットは、PICNICのアナログデータ取得のプロトコルを踏襲する形にしました。(UDPで待機、要求があれば都度平均値を計算して応答する。)MRTG側では、以前に作成していたPICNICのアナログデータ取得のプログラムをそのまま流用します。

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取敢えず、分電盤の近く仮置きしてテストをするのにバラバラでは危険なのでブレッドボード上にまとめました。
配線ぐちゃぐちゃで、テープとか使ってユニットは仮止め、見た目はまるで時限爆弾!?
右側に見える、Planexの無線アクセスポイントをコンバーターモードに設定して無線LANを経由して自宅のサーバーと通信させます。

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分電盤の蓋を開けて、センサーを取り付けます。極力高圧部分を避けてセンサーの線を外部に逃がしてマイコンへ接続しました。
センサーは、単相200で来ている為、2系統取り付けました。

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実際にMRTGでデータ取得させたところです。
思ったよりも綺麗に出て居ると思います。

ケースにでも格納して、ちゃんと設置していくことも必要ですし、マイコンボードのプログラムも適当で、IPアドレスすらROM化時に書き込まないといけない始末で、まだまだ手を入れる必要は有りそうですが、2・3日で作ったにしては、まずますかなぁ?

いい加減な変換回路でも、意外と直線性の良さそうなセンサの性能に驚きました。AD変換の粒度の問題もありますが、5W程度の変動は充分に検出可能な様子です。別に1Wや2Wの変化を読み取りたいわけではなく、大雑把な経時変化を見たいと言う目的は充分達成できそうです。

それにしても、MRTGに連携させるケースは殆ど見ないと思うのですが如何でしょう?
記録も、平均値の計算からグラフの作成まで、やってくれて便利なんだけどなぁー